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花穂誕生日記念SS その2

センパイになっちゃった



花穂はチアリーディング部に入ってます。
花穂、お兄ちゃまを応援したくって、チアをはじめたんだけど、最近はね、ちょっと違うの

チア部で、いろんなクラブの人を応援することがあるんだけど、試合のとき、みんなとっても真剣な顔で、いっしょうけんめいがんばってて、お兄ちゃまと同じくらいカッコイイの
だから、花穂、お兄ちゃまだけじゃなくって、がんばってる人みんなを応援したいなぁ、って思うようになりました。
もちろん、花穂が一番応援したいのはお兄ちゃまだよ。えへへっ


それでね、チア部の先輩で竜崎さんって人がいたんだけど
花穂、最初はとってもコワイ・・・じゃなくって厳しい人だなーって思ってました。
だって、花穂が練習に時、ちょっとでもミスすると、スゴイ顔で怒るし、花穂がわりと上手にできたかなーって思ったときも、みんなとタイミングが合ってないって注意されるし

でも、あるとき、お兄ちゃまがバスケの試合に出るって聞いて
花穂、どうしてもお兄ちゃまを応援したかったから、勝手にチア服を着て応援しようとしてたの
そしたら竜崎先輩に見つかって
竜崎先輩は「あなたにできるの?」ってとっても怖い顔をしてたの

花穂、ホントにお兄ちゃまの応援をしたかったから、とっても怖かったけど、ちゃんと竜崎先輩に向かって言いました。

「花穂、お兄ちゃまを応援したいから・・・本気で応援したいから・・・できます!」

それを聞いた竜崎先輩は、にっこり笑って「一緒にお兄さんを応援しましょう」と言って、花穂と一緒にお兄ちゃまを応援してくれました。


試合の後で竜崎先輩は花穂に言ったの
「花穂ちゃん、さっき、お兄さんを本気で応援したいって言ったわよね。チアで一番大事なのは、花穂ちゃんのその気持ち。がんばってる人を本当に応援しようとする気持ちなのよ。これからも、その気持ちを忘れないでね」って

花穂、竜崎先輩からいろんなことをいっぱい教えてもらいました。
だから、竜崎先輩は、花穂の尊敬するステキな先輩です。


でも、その竜崎先輩も卒業して、花穂の先輩じゃなくなりました。
そのかわり、チア部に新人が入ってきて・・・花穂、センパイになっちゃったの


こんど、チア部に入ってきた子は、みんな可愛くて、スタイルもよくって
・・・うう、花穂、もうちょっとやせたほうがいいかなぁ
でもね、チアの技の方は、ぜんぜんできなくって
えへへ、花穂もチア始めたころは、こうだったなぁ


花穂はセンパイなので、練習のとき、新人さんにチアの技を教える役をすることがあります。
新人さんにチアの技を教えるときは、なんだか花穂、すごい上手になったみたいな気分になるの

「花穂先輩、ここはどうすればいいんですか?」
「えっと、ここはね・・・」

えへへっ、どう、お兄ちゃま?花穂もすごくなったでしょ?

「ここで、こうして・・・」

ポロッ
あれれ?

・・・
てへへ、花穂、バトン落しちゃった

失敗、失敗


花穂がバトンを拾おうとしたとき、虎木さんが・・・

虎木さんは、今年入った新人さんで、お人形さんみたいにキレイで、背はそんなに高くないんだけど、とってもスタイルがよくって
それに、チアの技も教えたらすぐにできるようになって、とってもすごいの
お友達から聞いた話だと、お勉強も出来て、スポーツも得意なんだって

でも、チア部のみんなとは、あんまり仲よくしていないみたいで、花穂もお話したことなかったんだぁ

その虎木さんが
「花穂先輩は、ミスが多いのに、なぜレギュラーなんですか?」


花穂、一瞬、何を言われたのかわからなくて、みんなもシーンとなって
虎木さん、なんか花穂のことにらんでるみたい・・・どうして?

そのとき
「はーい、今日はここまで」
ちょうどそこで、練習は終わりました。


でも、そのあと、更衣室で・・・


花穂、職員室に用事があってちょっと遅れて更衣室に行ったんだけど
もうみんな帰っちゃってて、更衣室には虎木さん一人しか残っていなかったの

花穂、ちょっといやだなぁって思ったから、急いで着替えて帰ろうとしたら
虎木さんが話しかけてきて

「花穂先輩。ちょっとお話があります」
「えっ!?・・・な、なあに?」
「花穂先輩にはレギュラーは無理なんじゃないんですか?私だったら花穂先輩より上手くできますよ」

花穂ね、なんだかすっごく悲しくなってきて
でも花穂、ここでがんばらないとだめだって思って、涙が出そうなのをひっしでこらえて言ったの

「たしかに花穂、ときどきミスしちゃうし、技もまだまだなんだけど・・・でも、でもね、チアって、上手に踊るだけじゃだめなの。いっしょうけんめいがんばってる人に勇気をあげるのが、チアの役目なの。竜崎先輩も言ってたもん。チアはがんばってる人を本当に応援しようとする気持ちが一番大事だって・・・」

そしたら虎木さんは、急に険しい顔になって
「竜崎さんに言われたからっていい気にならないで!」
って部屋を出ていったの

はぁ、花穂、何か変なこと言ったのかなぁ

でも、お兄ちゃま、花穂、こんなことでめげたりしないよ
きっと虎木さんもわかってくれると思うんだぁ
チアの一番大事なことに

だから、お兄ちゃま、花穂、がんばるね


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