1cmの差
私、今、すっごい発明にとりかかってるの!
ジャジャーン
その名も"メカ鈴凛"!
私そっくりの、なんでもできちゃう高性能ロボットよ!
・・・まあ、高性能かどうかはできてみないと分からないけど・・・
でも、きっと、すごくイイ子になるに違いないわ。
なんてったって、私の代わりなんだから。
ウフフッ、アニキ、メカ鈴凛を見たらきっとびっくりだよね。
あんまりびっくりしちゃって「なんてすごい発明なんだ!鈴凛。特別にお小遣いあげるよ」なーんていっちゃったりして・・・って、いけない、いけない。まだなーんにもできていないのに私ってば・・・えヘヘ。
とりあえず、ボディがないと始まらないので、自分の体のサイズを測って型を作ります。
ふっふっふ、こーんなこともあろうかと、作っておいたメカ。身体測定マシン"はかーる君"!
これを使えば、めんどくさいデータ収集も一瞬で終了よ!
後は、データをパソコンに入力したら・・・
ほーら、あっというまに、私のバーチャル3Dモデルができあがりー
へーっ、私って、こーんな体なのね・・・
カチカチっとマウスをクリックすれば、いろんな角度から"私"が見れるの。
カチカチ
あっ、私の後ろ姿って、こんな感じなんだ
カチカチ
ふーん・・・へー・・・・・・
カチ
・・・
カチ
・・
・
はぁ
そりゃ数値では知ってたけど・・・
こうも現実を目の前につきつけられると・・・ねぇ
はぁ
そんなに悪くないと思ってたんだけどなぁ
「・・・やっぱり、アニキもムネが大きい方が好きなのかなぁ」
そう思ったら、私、3Dモデルをイジってたの
もっと、こう、やわらかそうな曲線にして・・・
ここはちょっと削って・・・
カチカチカチ
そうやってできあがったモデルは、理想的な女性のカタチ
これなら、アニキ、好きになってくれるかなぁ・・・
これなら・・
これ・・・・
これ・・
これ・・・・・・私じゃない
・・・
あ、あはははは・・・や、やっぱり、ズルしちゃいけないわよね!
なんてったって、私の代わりなんだから!
とりあえず、元にもどしてっと・・・
・・・
・・
・
い、1cmぐらいなら・・・いいかな?
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