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幸せの光


ハッピーバースデー ツーユー!
ハッピーバースデー ツーユー!
ハッピーバースデー ディア可憐ちゃん!
ハッピーバースデー ツーユー!

パーン、パーン、パーン

「可憐ちゃん。お誕生日おめでとう!」
「ありがとう」

今日は、お友達のさやかちゃんのお家で、可憐のお誕生日会をしてもらっています。


「じゃあ、可憐ちゃん、ロウソクの火を消して」

ケーキに立っているロウソクの火を吹き消します。
フーッ
あれ?
フーッ、フーッ

パチパチパチパチ(拍手)

ふぅ、お兄ちゃんだったらきっと、フーッって一息でできるのにね


「はい、可憐ちゃん。これ誕生日プレゼント」
「わぁ、ありがとう!」

みんなからプレゼントをもらって・・・
可憐、この後もいいことがあるのに、こんなにいいことばっかりでいいのかな?


さやかちゃん家のお誕生日会が終わったら・・・うふふ
可憐、お誕生日はお兄ちゃんにお祝いしてもらってるんだけど、今日は、お兄ちゃんお昼は御用があるからって、お兄ちゃんとのお誕生日会は夜になっちゃったの。

「遅くなっちゃうけど、でもその分、ビックリするようなことするからね」
「えっ?お兄ちゃん、どんなことするの?」
「それは、その日のお楽しみ」

うふふ、お兄ちゃん、どんなことしてくれるのかなぁ


「ねぇ、可憐ちゃん」
「えっ?あっ、ごめんなさい。なにかな?」
可憐、お兄ちゃんのこと考えてたら、お友達が話しかけてきたことに気付かなかったの。

「もう、どうせお兄ちゃんのこと考えてたんでしょ?」
「うん・・・ごめんなさい」

お友達はみんなやれやれって顔をしてました。

でも、しょうがないよね。
だって、夜にはお兄ちゃんとお誕生日会だもん!


さやかちゃん家のお誕生日会が終わって、可憐、急いでお家に帰りました。
もしかして、お兄ちゃん、もう可憐のお家についてるかな?

「ただいまー!ねぇ、ママ、お兄ちゃんは?」
お家についたら、すぐにママに聞きました。

そしたらママは
「お兄ちゃん、ちょっと遅れるって言ってたわ」

可憐、それを聞いて、ちょっと悲しくなったんだけど、「でも絶対行くから待っててって言ってたわよ」ってママが言ったから、だから、可憐、じっと待つことにしました。
だって、お兄ちゃん、可憐との約束破ったこと一度もないんだもん。
お兄ちゃんが絶対って言ってるから、それは、絶対、なんだよね。


それでね、可憐、ママと一緒にお誕生日会の準備をすることにしました。
お兄ちゃんのお皿を用意して・・・
お兄ちゃんのグラスを用意して・・・
あっ、お皿とグラス、可憐とおそろいにしちゃおっと!

そしたら、ママが「これじゃあ、お兄ちゃんのお誕生日会みたいね」ってクスクス笑うの
んもう、ママったらいじわるなことばかり言うんだから!

お兄ちゃん、早く来ないかなぁ


そのとき、窓の外を見たら

ザァーーーーッ

いつのまにか、お外は、どしゃ降りの雨。
それに・・・

ピカッ、ゴロゴロ

きゃっ、可憐、カミナリ嫌ーい


その後も、雨はひどくなってきて・・・
カミナリの音もだんだん大きくなって・・・

お兄ちゃん、こんなに雨が降ってたら、可憐のお家に来てくれないかも・・・

ピシャーン、ゴロゴロ

キャーーーー!お兄ちゃーん!助けてぇー!

ドッカーーーーン!バリバリッ!

ブツッ

「えっ?」
一瞬で、家中が真っ暗になって・・・
もしかして、停電?

そ、そんな、こんなに真っ暗だと、可憐、可憐
「うわーーーん、お、お兄ちゃーーん!可憐コワーイ!」

「可憐!大丈夫かい?」

可憐が振り向くと、そこには電灯を手にしたお兄ちゃんが立っていました。

「お兄ちゃーん」
可憐、おもわずお兄ちゃんにギュッて抱きつきました。

「ぐすっ、お兄ちゃん・・・可憐、怖かったよぉ」
「ごめんね、もっと早く来るつもりだったんだけど・・・」
「ううん、もういいの・・・お兄ちゃん、ありがとう」
可憐、またお兄ちゃんにギュッって抱きつきました。


「じゃあ、お誕生日会をしようか」
お兄ちゃんは、そう言ったけれど、真っ暗な中じゃ、できない、よね?

そしたら、お兄ちゃんは「僕にまかせて」って
カバンからいっぱいロウソクを取り出して、一本一本に火を付けながら、部屋中に立てていったんです。

わぁ!
色とりどりのロウソクの炎がとってもキレイ!
それに、ロウソクの光に照らされているお部屋は、いつもとぜんぜんちがって見えて・・・すごくロマンチック。
なんだか、可憐、ちょっとだけ大人になった気分。

うふふ、やっぱりお兄ちゃんはスゴイです。
可憐、こんなにステキなお誕生日会は初めて!

お兄ちゃん・・・大好き(はぁと)


ねぇ、お兄ちゃん・・・今日は、このままお泊まりして、ほしいな。


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