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特別な日


今日は亞里亞のお誕生日パーティーです。
亞里亞のお家に、ピカピカの黒くておっきい車がいっぱい来て、たくさん人がやって来ました。

「さあ、亞里亞さま。こちらのお召し物を」
亞里亞、ヒラヒラがいっぱいついたお洋服を着て、キラキラ光る銀色の髪飾りをつけました。
でも、亞里亞、このお洋服、歩きにくいからキライ
じいやにそう言ったら、これぐらいガマンしてくださいって、亞里亞のこと睨むの
くすん

お部屋にはいろんなかっこうの人がいっぱいいました。
みんな、チョウチョみたいにキレイな色のドレスをきて、キラキラ光って見えます。
じいやは、今日来られた方はとってもエライ方ばっかりですから、いつもみたいにワガママは言わないでくださいって
亞里亞、ちっともワガママじゃないのに・・・くすん

「やあ、亞里亞ちゃん。お誕生日おめでとう。いつも可愛いね」
白いお髭のおじいさんが亞里亞に言いました。
「今日はおこしいただいてありがとうございます。亞里亞とってもうれしいです」
じいやに教えられたとおりにあいさつをしました。
じいやの言うとおりにしないと、じいやすごくコワーイ顔になって亞里亞を怒るの
くすん・・・じいや怖い

「お誕生日おめでとう、亞里亞ちゃん。まあまあ、本当にお人形さんみたい!」
ヘンなニオイがするおばさんが亞里亞に言いました。
「今日はおこしいただいてありがとうございます。亞里亞とってもうれしいです」

「亞里亞ちゃん、お誕生日おめでとう。これはこれは、ウワサに聞いた以上に可愛らしい」
頭ピカピカのおじさんが亞里亞に言いました。
「今日はおこしいただいてありがとうございます。亞里亞とってもうれしいです」

・・・

亞里亞、いっぱいいっぱいあいさつしました。
でも、その中に兄やはいなかったの

くすんくすん
亞里亞、ずっと待ってるのに、兄やが来ないの

「ねぇ、じいや。兄やはいつ来るの?」
「もうじきいらっしゃいますよ」

・・・じいや、さっきからそればっかり


ボーンボーンって音が9回なっても兄やは来ませんでした。

亞里亞、とってもネムイネムイだったけど、兄やに会いたいからガマンしてたの

そしたら、じいやが
「亞里亞さま。もうお休みなさいませ」
「イヤイヤ、亞里亞、兄やに会うまで、眠らないの」
「しかし・・・」
「お誕生日は兄やといたいの、だから亞里亞、眠らないの」


でもそのうち、なんだか目の前がだんだん暗くなっていって・・・

気が付くと、お部屋には誰もいませんでした。

「じいや?」
・・・いない

「兄や?」
・・・いない

くすんくすん・・・誰もいないの
今日は亞里亞のお誕生日なのに、兄やは亞里亞に会ってくれない
兄や、亞里亞のことキライになったの?
くすんくすん・・・


あれ?
クンクン
いい匂いがする

亞里亞が知っている匂い
亞里亞の大好きなあまーいあまーい、いい匂い

亞里亞、匂いのする方へ行きました。
ドアを開けると・・・

くすん・・・目の前がまっしろになって何も見えないです。


「亞里亞、目が覚めた?」
「兄や?」

亞里亞、いつのまにかベッドの上にいたの
そして、ベッドの側には兄やがいました。

「遅れてゴメンね。はい、亞里亞にプレゼント」
「うわぁ、キレイ」

兄やは亞里亞にキレイなお花をくれました。
あれ?このお花、とってもあまーい匂いがするの

「そのお花、アメでできてるんだよ。ああでも、今日中に渡せてよかった」
「今日?」
「亞里亞、お誕生日おめでとう」

亞里亞、とってもとってもうれしかったです。

今日は亞里亞の特別な日になりました。

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「兄やさま、本当に申し訳ありません」
「ははは、いいんですよ。有名な先生方がいっぱい来ているお屋敷の前を、僕みたいなのがうろついてたら、そりゃあ警備の人につかまっちゃいますよ」
「しかし、警備室から逃げ出さなくても・・・事情を説明すれば、こちらからお迎えにまいりましたのに」
「プレゼントを取り上げられそうになったので、つい・・・それに絶対、今日中に亞里亞に会いたかったんです。・・・だって今日は亞里亞の誕生日だから」

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