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今日はラッキーデー



「白雪さん、ちょっとよろしいかしら?」
「はい・・・」


今日、学校でショックなことがおきました。
姫、お勉強はそんなに得意な方ではないんですけど・・・
でも、それなりにやっているつもりでしたの
・・・授業中つい、にいさまのことを考えてばかりで、先生のお話を全然聞いていなかったりとかありましたけど
で、でもでも
ちゃんとそれなりにやっているつもりでした。
でしたのに・・・
この前のテストで、ちょっぴり・・・ほんのちょっぴりだけよくなかったみたいなんです。

先生がおっしゃるには
「白雪さんは、家庭科の成績は申し分ないんですけど、他の科目がちょっと・・・がんばりが足りないみたいなの」
ですって

ひょっとして、姫っておバカさん・・・なのかしら?
・・・

いや〜ん
こんなこと、にいさまに知られたら
「こんなバカな妹がいるなんて、僕は恥かしいよ」
なんて言われちゃうかも・・・
あわわ、どうしましょう?


でも、やさしいにいさまのことだから、きっとそんなことは言わないはずですよね・・・たぶん
・・・

はぁ


でも先生もヒドイですの
いくらテストの点数が悪かったからって、こーんなにたくさん宿題を出すこともないですのに
プリント用紙がいっぱい入ってる、このカバン・・・なんだかとっても重い感じがするですの
ヨロヨロ

こんなにいっぱい宿題があったら、今日は、にいさまのためのお料理の研究ができないかも・・・ですの



そんな暗ーい気持ちでとぼとぼと校門のところを通ったときでした。
「白雪」って姫を呼ぶ声が・・・
見るとにいさまが、校門のところで姫を待っていてくれてたんですの

にいさまのいつもの優しい笑顔を見たとき、姫、暗い気持ちがぽいっとどこかへいっちゃいました!
姫が悲しいとき、苦しいとき、辛いとき、どんなときでも
にいさまの笑顔さえ見られれば、そんな気持ちはどこかへ行ってしまって、元気がもりもり体中にあふれてくるんですの
にいさまは姫の力の源
にいさまの笑顔は姫のごはん、なんですの


にいさまはお弁当の包み ─姫、毎日にいさまにお弁当を作ってますのよ─ を姫の方に差し出しながら
「お弁当ありがとう。美味しかったよ」
と言って微笑みました。

ふわぁ〜
姫、とっても幸せ(はぁと)
にいさまの「美味しかったよ」の一言を聞くときが、姫の1日の中で一番幸せな瞬間ですの
明日もお弁当、がんばらなくっちゃ!



でも、その日はもっといいことがおきました。

姫、ときどき、にいさまを夕食に誘うんですけど
「ごめん。今日はちょっと・・・また今度ね」っていつもはなるんです。
でも今日は
「うん、それじゃあ今日はごちそうになるよ。白雪の料理楽しみだなぁ」
ですって

きゃーーー
今日はきっと、姫のラッキーデーですの!
にいさまに満足してもらえるように、今日は最高のお料理を作らないといけないですの!!



今日の夕食は、研究に研究を重ねて作り出した、姫の自信作
寒さを吹っ飛ばせ!姫特製オリジナルおでん!
やっぱり冬はおでん
でも姫のおでんは普通のおでんとはちょっと違いますのよ
卵、大根、はんぺん、厚揚げと基本のおでん種はもちろん
エビ、牡蛎、イカ、きのこに冬のお野菜を使った姫オリジナル種に
中身は食べてのおたのしみ、ビックリドッキリきんちゃく!
などなど100種類のおでん種が楽しめますの
これで体も心もぽっかぽか、寒さなんかへっちゃらになるですの

もちろんデザートも忘れちゃいけないですの
今日のデザートは、果物盛り沢山のフルーツポンチ
ビタミンをいーっぱいとったら、風邪なんて絶対ひかないですの

さあ!にいさま、め・し・あ・が・れ(はぁと)



にいさまは「美味しい、美味しい」って姫のお料理を食べてくれました。
ごはんを食べているときのにいさまの笑顔。
姫はにいさまの笑顔を見ることが一番の幸せですの
これからもずっとずっと姫のお料理で、にいさまを笑顔にしてあげたい・・・ですの


むふん
それにしても、今日はにいさまに2回も「美味しいよ」って言ってもらえて
姫、とっても幸せ(はぁと)
にいさま、もしよかったら明日も来てほしいですの



そんな幸せいっぱいだったのに、リビングに置いたままにしておいたカバン ーだって一刻も早くお料理つくらなくっちゃいけないから、適当な場所に置いてたですの─ を、にいさまが見て
「ねぇ、さっきから思っていたんだけど、白雪のカバン、いつもより大きくない?何か入ってるの?」

そ、そうだったですのー
いっぱい宿題があったんですのー

姫、嫌なことを思い出してしまいました。
今日はにいさまと一緒に夕食でラッキー!と思ってましたのに
これじゃあ・・・姫、しょんぼりです。


姫が暗い顔になったので、にいさまが心配して「どうしたの?」って聞いてきました。

あ、しまった
これじゃあ、にいさまに姫がテストの点数が悪かったこと知られてしまっちゃいますですの
あせあせっ、あせあせっ


でも、にいさまは姫のことはぜんぶわかっちゃうみたいです。
結局、テストのことも宿題のことも、み〜んなバレちゃいました。
あ〜ん


「じゃあ夕食のお礼に僕が宿題をみてあげるよ」
「でも、こんなにいっぱいだから、夜遅くまでかかちゃいますの」
「遅くなったときは、ここに泊っていくよ。いいかな?」


きゃぁーーーーー
やっぱり今日は姫のスペシャルラッキーデーですの!
にいさまに夕食をごちそうしてあげられるばかりか、お泊まりまでしてくれるなんて
今日は、何か起きそうな予感!
きゃっ(はぁと)


はっ!
こうしてはいられませんの!
さっそくお夜食のメニューを考えなくっちゃ!


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