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名探偵四葉VS美少女怪盗クローバー(中編)
─ 仮面の下の顔 ─

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<< 前回までのあらすじ >>

ゆったりとした休日を過していた兄の元へ美少女怪盗クローバーからの挑戦状が届いた。
また四葉のお遊びか、と思った兄は四葉と共に公園へ向かう
そこで兄は四葉ではない美少女怪盗クローバーに出会うのだった。
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「キミは誰だ!」
「わたしは美少女怪盗クローバー!兄チャマクンよく来たデス!その勇気は誉めてあげマショウ・・・しかーし!今日こそ兄チャマもLand taxの納め時なのデース!・・・」

クローバーの口上が続く中、僕の横で四葉がうつむいてプルプルと震えている。
それはそうだ、クローバーは四葉が変装した姿だから、勝手に名のって四葉が許すわけない

「兄チャマ・・・」
四葉が僕の方を見ずに小さく言う

「あれは偽物だよ。きっと誰かが悪戯してるんだ」と僕が言おうとしたとき
四葉がこぼれんばかりの笑顔で僕に言った。

「ス、スゴイデス!本物のクローバーが現れたデス!」

ズルッ
僕はずっこけた

「・・・いや、あれは、違うだろう」
「どしてデスか?」
「え!?だって、ほら・・・」

四葉はキョトンとしている。
あれが本当にクローバーだと思っているようだ。
僕は頭を抱えた。


「何をゴチャゴチャ言ってるデスか?・・・まあいいデス。兄チャマクン、さっそく勝負デス。フッフッフー、兄チャマクンにこの謎が解けるかな?」

クローバーはシュッと四角いカードを投げる。
それは僕と四葉の間を切り裂いて地面にカッと突き刺さった。

「さあ!兄チャマクン、謎を解いてみたまえ。チェキィ!」

クローバーがジムをハラリと飛び降りた。
そして走り去ろうとしている。

「待て!」
僕がクローバーを追い掛けようとしたとき
「兄チャマ」
四葉が僕の腕をつかんだ。

「何するんだ四葉!クローバーが・・・」
見ると四葉はクローバーが投げたカード拾い上げ、ワクワクした表情でそれを見ていた。

「クローバーからの挑戦状デス〜。どんな謎があるのかな〜♪・・・クフフッ、どんな謎でも、四葉と兄チャマにかかれば、オチャノコサイサイなのデス。ねっ!兄チャマ!」
「・・・」

四葉は満面の笑みで、僕に話しかける。
四葉にとってはクローバーの正体より謎を解く方が重要らしい

振り返るとクローバーの姿はもうどこにもなかった。


◇◇◇◇◇


「ふぅ」
咲耶はコーヒーを一口啜った後、ため息をついた。
見上げるとさわやかな青空が広がっていたが、咲耶にはグレーに映った。
こんな晴れた休日は、お兄様といっしょにお出掛けするのが、最高の過ごし方なのに・・・

目の前に視線を戻す。

「甘くて美味しいの〜」
「ヒナのもスッゴイおいしいよ」
「雛子ちゃん、ほっぺにクリームがついてるわよ」

亞里亞がアイスクリームをスプーンですくってゆっくりと口に運び、そして、じっくりと味わうように口をもごもごと動かしている。
その横で雛子はケーキを口いっぱいに頬張り、鞠絵は雛子の顔についたクリームをハンカチで拭いていた。
とても微笑ましい光景ではあるが、今の咲耶にはTVの向こう側の出来事のように見える。


ここはオープンテラスのある喫茶店
咲耶たちはお茶を飲んで休憩していた。

休日の暇な時間を持て余していた咲耶は、鞠絵に誘われ買い物に付き合うことにしたのだが・・・
まさか雛子と亞里亞も一緒だとは思わなかった。
鞠絵は「雛子ちゃんと亞里亞ちゃんのお家の方から、一緒に遊んで欲しいと頼まれまして」と言うが・・・
一緒に遊ぶと言えば聞えは良いが、実際はお守りである。
普段なら、それでもかまわないのだが、いろいろと鬱憤が溜っている今の咲耶にはちょっとキツかった。

「ふぅ」
咲耶は、またため息をついた。
左手でほおづえをつき、右手の指でカップの把手をなぞる。


バッグの中に丁寧にハンカチを仕舞いこんだ鞠絵が咲耶に話しかけた。
「この前はたいへんでしたね」

その一言で咲耶のおしゃべりスイッチがONになった。

「そうなのよ!あの子ったら、イギリス帰りだからちょーっと日本人離れしてるかと思ったんだけど、あれは、へんよ!ヘン!みょうなコスプレして街中歩きまわるなんて、いったいどういう神経してるのかしら?おかげでコッチまで、小さい子から指さされて笑われるし、近所のオバサンには、『咲耶ちゃんもタイヘンね〜』なんてニヤニヤされるし・・・
だいたい、チェキってなに?何語?もう、お兄様は笑ってるだけで何も言わないし、それに・・・・」

咲耶は息継ぐ暇もないぐらいガンガン喋る。それを鞠絵はだまって聞いていた。

咲耶は鞠絵の存在がありがたかった。
今言っていることがたんなる愚痴であることはわかっている。でも誰かに聞いてもらいたい
しかし長女である立場上、普段は誰にも言えないのだ
特に春歌や千影、ましてや兄には絶対言えないだろう

しかし、鞠絵には不思議と何でも話せる。
鞠絵もそれを理解しているのか、特に口をはさむこともなく、ただ咲耶の話を聞いている。

(鞠絵ちゃん、ありがとう。・・・そしてゴメンね)
咲耶は心の中で鞠絵に感謝し、謝罪した。


「・・・もう、お兄様が何とか言ってくれれば良いのに」

咲耶は言いたかったことを全部吐き出すと、ふぅと一息つき、そしてコーヒーを一口飲んだ。

それを待っていたかのように鞠絵が話を切り出す。

「今、兄上様はお暇なのだそうですよ」
「えっ?今日は千影ちゃんの番じゃないの?」
咲耶は兄のスケジュールを2週間先まで記憶している。

「それが、今朝になって突然、千影ちゃんに用事ができたんですって」
「ふうん」
「だから、この後、みんなで兄上様のお家に行きませんか?」

その言葉に雛子と亞里亞が反応した。

「ヒナ、おにいたまのところにいきたーい!」
「亞里亞も、兄やに会いたいです〜」

咲耶は一瞬喜んだが
「あ、でも・・・いきなり訪ねたらお兄様に迷惑かも・・・」
「うふふ、大丈夫です。兄上様には、ちゃんとお電話で話をしてありますから」
「えっ!そうなの?」
「はい」

いつもながら鞠絵の準備の良さには感心する。
鞠絵に感謝しつつ、しかし、咲耶の気持ちはすでに、兄に会えるという喜びの方に向いていた。

(いい天気ね)
咲耶は空を仰ぎ見た。
先ほどと変わらぬ空が、今は晴れやかに見える。


そのとき
「あっ、四葉ちゃん・・・」
雛子が店の外を指さしながら言った。

「あ、そうなの?それじゃあ、四葉ちゃんも誘って・・・」

上機嫌の咲耶はさっき愚痴ったことをすっかり忘れてしまったようだ
今なら、四葉の奇行も許せる気がした。

「へんなかっこうしてるー」
「ヒラヒラです〜」
「え゛!?」

振り返る
羽飾りのついた帽子、赤いマントと刺繍の入った服・・・クローバーの衣装が目に入った。

ピシッ
咲耶の笑顔が固まった。

「あの子・・・ちっとも懲りてなかったみたいね」
咲耶はゆらりと立ち上がる。
ギュッと握り締めた拳がブルブルと震えていた。

「あ、あの咲耶ちゃん・・・」
鞠絵が咲耶を落ち着かせようとしたがもう遅かった。

「これで払っといて」
咲耶は財布をバンとテーブルにたたきつけると、店と道路を隔てている柵をひょいと飛び越えて、喫茶店を飛び出して行った。


◇◇◇◇◇


「ここが次のチェックポイントだな」

クローバーが出す問題は、次の問題がある場所が答えになっている、ようだ
宝箱を開けたら、中には次に開けるべき宝箱の地図が入っている、と言えば分かりやすいだろうか
きっとクローバーの用意した問題を次々に解いて行けば、何れクローバーに追い付く・・・はずだ・・・たぶん

「兄チャマ、あれ!」
四葉が指さした先にあるブロック塀には、丸めた紙が紐で吊されていた。

「これか」
それをひったくるようにして取り、地面に広げる。
その大きな紙には、碁盤の目のような格子が一面に並べて書かれていた。
格子のところどころには番号やアルファベットが書いてある。
そしてその下に、このパズルを解く鍵となる文章がズラッと並んでいた。

「うっ、これは・・・」
「クロスワードパズルデス〜」
四葉がうれしそうに言う。

「こんなにいっぱい・・・」

縦横のキーワードがそれぞれ100を超えている。
正解にたどり着くまで、かなりの時間がかかりそうだ
ひょっとして逃走時間を稼ぐのが目的か?

「しょうがない、とりあえず、文字で埋めていこう」
「チェキっと了解!・・・えーっと、なになに『兄チャマクンの好きな料理は?』」
「え?・・・えーっと、ラーメンかな・・・・って、四葉、ふざけてる場合じゃないぞ」
「問題デス、ほら」
「あ、ホントだ」

確かに問題文には、そう書かれていた。
もしかして兄チャマ情報を集めるのが目的か?

「四葉、そういうどうでもいいところは後回しにして、このアルファベットに絡む所から・・・」
「ムゥー、四葉にはどうでもよくないデス!これは今後のためにもゼッタイ調べておかないといけないデス!」
「・・・」

これは、思ったより時間がかかりそうだな
四葉があまり頼りにならなさそうなので、かなりの部分を自分で何とかしないといけない。

「兄チャマ!次の問題は『兄チャマクンの好きな色は?』・・・キャーー!兄チャマの秘密がいろいろ分かっちゃうデス!さあ、兄チャマ!答えをどうぞー!」
「・・・」

訂正
四葉はぜんぜん頼りにならないので、全部自分で何とかしないといけない。
トホホ


◇◇◇◇◇


「待ちなさーい!」

クローバーが振り返ると、そこには咲耶が仁王立ちしていた。

「今度という今度は許さないわよ!あなたが外でヘンなことするから、姉である私がどれだけ恥ずかしい思いをしているか、わかってるの!」

猛獣でも逃げ出しそうな迫力で咲耶が睨む。
しかしクローバーは咲耶の方に向き直り、怯むことなくツカツカと歩み寄って来た。

「な、なによ」
咲耶はたちろいだ。
きっとまた逃げるだろうと思って、ダッシュして追い掛ける体勢をとろうとしていたからだ
まさか向うから詰め寄って来るとは・・・


クローバーは咲耶の目の前まで歩いてくると、咲耶をじっと見つめた。
いや、見ているのは咲耶の胸元あたりか

「??」
咲耶が訝しげに思った瞬間、クローバーがスッとすばやく咲耶の脇をすり抜けた。

「えっ?何?」
呆気に取られる咲耶

振り返るとクローバーは手にキラリと光るものを持っていた。
それを見た咲耶はあわてて自分の胸元を見る。
そこにはあるべきものが無かった。

(ペンダント・・・お兄様からもらった誕生日プレゼントのペンダントが・・・)

クローバーに視線を戻す。
クローバーは、その咲耶のペンダントを手にとって色々な角度から眺めていた。

仲の良い友達にも触らせないぐらい大切にしていた物を奪われ、咲耶は激昂した。

「返しなさーい!」
クローバーに突進する。

咲耶のスピード、パワー、テクニックは全てにおいて四葉を上回っている。
だから、いつも通り簡単に捕まえることができると思っていた。

(よし、このまま押さえ込んで・・・)

咲耶の手がクローバーの肩に触れようとした瞬間だった。
クローバーは咲耶の手首をつかむと、すばやく背を向け、腰を落しながら咲耶の腕を引き込んだ。

「えっ!?」

咲耶は自分の体が一瞬宙に浮いたのを感じた。そして視界がクルリと一回転する。
気が付けば空が見えた。

反射的に受け身をとってはいたが、咲耶が今の自分の状態を認識するまでには少しの時間が必要だった。


「これはちょっと借りるデス」
マントをヒラリとなびかせてクローバーは走り去る。

「えっ!・・・私?・・・投げられた!?」
咲耶は道の真ん中で投げられた姿勢のまま呆然としていた。


◇◇◇◇◇


「次はメインストリートの噴水の池の中か・・・」

僕と四葉が通りを走っていると、前方に女性が2人いるのが見えた。
咲耶と鞠絵
・・・・でも何か様子がヘンだ
咲耶が怒っているのを鞠絵が必死になだめようとしているように見える。

なんだかものすごくイヤな予感がしたが、かと言って無視して通り過ぎるわけにもいかず、近寄って話しかけることにした。

「咲耶、鞠絵・・・二人とも、どうしたの?」
「あっ、お兄様、ちょっと聞いてよ!」

咲耶が僕の声に振り向く。
そして僕に抱きつこうとしたところで、僕の後ろにいる人物に気付いた。

「あーーーーっ!!!」
咲耶は車のクラクション並の声を発したかと思うと、次の瞬間、鬼のような形相になった。怖い
間髪容れず、四葉に掴み掛かかり、ポイと四葉を投げ飛ばした。

ヒューーー
「ひゃあぁーーー」
ドサッ

四葉は道路わきの植え込みに頭から突っ込み、体の半分しか見えない。
「ムーーーーー!!」
もがいて足をバタバタさせている姿は、マンガでよく見る1コマのようだ

あまりに突然な出来事に、僕と鞠絵は何もできず、だたポカンと口を開けて見ているだけだった。


「イテテ・・・もう咲耶ちゃん、何するデスか?」
植え込みから這い出してきた四葉が頭に葉っぱをつけたまま咲耶に抗議する。

「それはコッチのセリフよ!さあ、早くアレを返しなさい!」
「アレ?・・・何デスか、それ?」
「とぼけるのもいいかげんにして!私から奪ったペンダントよ!」
「えー、四葉、そんなの知らないデス」
「キィーーーーーーーッ」

咲耶がもう一度四葉を投げ飛ばそうとしていたので、鞠絵と2人で必死に押さえた。



「つまりクローバーの恰好をした人が咲耶のペンダントを奪っていった、ってことか・・・」
山から降りてきた猪なみに暴れる咲耶をどうにか落ち着かせ、事情を聞く。

「そうなのよ。だから四葉ちゃん、早く返さないと・・・」
「ひえー、四葉じゃないデスー」

再び四葉につかみかかろうとしている咲耶を、再び鞠絵と2人で何とか押さえながら、僕は、今までの経緯を咲耶と鞠絵に話した。


「なるほど、誰かがクローバーの恰好をして、兄上様と四葉ちゃんに挑戦しているわけですね。咲耶ちゃんが出会ったのは偽のクローバー」

僕は、あれは本物と言いかけた四葉の口を塞ぎ
「そ、そうなんだよ。・・・咲耶はさっき偽クローバーに会ったんだよね?どっちに行ったか覚えてない?」
咲耶にクローバーの行方を聞こうとした。
が、これは不味かったようだ。

「??・・・!!」
咲耶はちょっと考えると、再び怒りが込み上げてきたのだろう
般若の顔になった。コワイ

「私の大切な、大切な宝物を奪っていった不埒モノ・・・ゼッタイに許さないわ!」
咲耶は拳を握り締め言うと、僕たちが止めるのも聞かず走りだした。

「おーい!咲耶ーっ!戻ってこーーーい!」

・・・

「・・・あぁ、貴重な戦力が・・・」
何の彼の言っても、咲耶の運動能力は当てになる。
クローバーとの直接対決のとき咲耶がいればかなり有利になるはずだった。
しかし、もう咲耶の姿は1ドットも見えない


「それで兄チャマ、四葉たちはどうするデスか?」
「とにかく、クローバーの出す謎を解いて行くしかないだろう・・・鞠絵、今日はゴメンね。せっかく僕の家に来てもらうはずだったのに、こんなことになってしまって・・・」
「いいえ兄上様、ワタクシはぜんぜん気にしていませんよ。もともと予定外のことでしたから」
鞠絵は、雛子ちゃんと亞里亞ちゃんをお家まで送って行かないといけませんから、と言って申し訳なさそうに喫茶店の方へ歩いていった。


「さあ、行こう!」
僕と四葉は再び走りだした。


◇◇◇◇◇


「兄チャマ、あれデス」

壁に紙切れが張り付けてあった。

クロスワードパズル、イラストロジック、間違い探し、図形クイズ、迷路、知恵の輪、マッチ棒クイズ・・・

今日1日で、ありとあらゆるパズルやクイズをやったような気がする。
気が付けばだいぶ日が傾いてきた。

「次は何だ?」
壁から紙を剥がし四葉と2人で見る。

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クフフッ・・・兄チャマクン、この謎が解けるかな?

「あの大空の向う
 西へと続く道の先には
 血に塗れた大地がある。広大な土地に蒔くカボチ
 ャの種
 魔力はすでに失われ
 野は荒れ果てているけれど
 いつかは大きく育つだろう
 永遠の時がそこにはあるのだから」

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暗号文のようだ。
基本に戻ったか?


<<< クローバーからの問題にみんなも挑戦してみよう! (^_^)/ >>>

# 少しスペースを開けます
# 答えが分かったら下へスクロールして下さい





































# よろしいですか?


「むー、兄チャマ、暗号デス・・う〜ん、これは・・・『西へ』、『広大な土地』・・・はっ!兄チャマ、分かりマシタ!これは、街の西の方にある広場のことデス!さっそく、そこに・・・」

走り出そうとした四葉を止める。

「ちょっと待って四葉、この"カボチャ"がなんでわざわざ途中で切って書いてあるかを考えれば・・・」
「え?」
「ほら、全部ひらがなにして文の先頭の文字だけ読むと・・・」
「"あ" "に" "ち" "ゃ" "ま" "の" ・・・ "い" "え"!?」
「僕の家か」

僕は四葉の手をとると自分の家に向かって走り出した。
空は次第にオレンジ色へと染まっていく


◇◇◇◇◇


「さあ、戻るんだ」
「いやデス、わたし、もう少し・・・」

自分の家の前までくると、玄関先で言い争いをしている人がいるのが見えた。
千影と・・・クローバー!

「はぁはぁ、千影、その子を捕まえて」
今日はかなりの距離を走り回り、さすがに疲れてきた。
せっかくここまでクローバーを追いかけてきたのに・・・このままだと逃げられてしまう

「兄くん・・・大丈夫だよ。もう・・・逃げる力は残って・・・ないだろうから」
「え?」

そのとき、突然クローバーがガクンと姿勢を崩し、へなへなと地に座り込んでいった。

「おい、大丈夫か?」
心配して駆け寄る。

「ううっ」
クローバーが顔をあげたとき、その顔にマスクはなかった。
どうやら倒れ込んだときに外れてしまったらしい

「なっ!?」
僕はその顔を見て驚いた。

四葉だ
クローバーの顔は四葉そっくり、いや寸分たがわず四葉そのものだった。

「こ、これはいったい!?」
「四葉くんだよ」
混乱する僕に千影が話しかけた。

「えっ!?それって、まさか・・・」

僕はクローバーと四葉を交互に見る

「よ、四葉は・・・四葉には・・・双子の妹がいたのかーっ!!」


─ 続く ─


<< 次回予告 >>

美少女怪盗クローバーの正体は四葉にそっくりな少女
衝撃の事実に驚愕する兄
四葉には双子の妹がいたのか!
まさかこれって双恋!?

次回、名探偵四葉VS美少女怪盗クローバー(後編)さよならクローバー

あなたのハートをチェキよ♪


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